病室はナースステーションの目の前の部屋。最初はここに入れられるのか。
目が覚めてもまだ頭がボーッとしている。そのままトイレへヨロヨロと歩いて向かう。
すると後ろから看護師さんが追いかけてきて「まだ一人で歩いちゃダメです💢」
と、めちゃくちゃ叱られる。
この歳でこんなに叱られたの初めてだ‥と思いながらまた泣けてくる。
この時はコロナの影響で付き添いやお見舞いはできなかった。
ベッドに戻り家族にとりあえず大丈夫だから心配しないように伝えようとLINEを開く。
文字を打つにも思うようにいかず、間違いだらけでその間違いを削除しようとするが
削除の仕方がどうしてもわからない。
そのヘンテコな文字列を送信するしかできず、ますます心配させる羽目になる。
一体私の頭はどうなってしまったのか。脳みその一部が機能していないのか。
このままだったらどうしよう…最初の二日間はやることなすこと不安だらけだった。
三日目からは看護師さんには内緒でこっそり病室内を歩いてみたりする。
理学療法士の方も来てくださり体の状況をチェックしていく。
食事は普通食だがお箸にするかスプーンにするか聞かれて、私は「お箸で」とお願いした。
ゆっくりならお箸でいけそうだった。
悲しいほど病院食をお箸でゆっくり味わう事になった。