次の日、朝目覚めるとやはり体が思うように動かない。
それでも「あー、ご飯炊かなきゃー‥」と思い、ヨタヨタと壁を伝うようにして起きる。
トイレを済ませると何故か流し方がわからない。
「え〜っと、どうするんだっけ?」とトイレで悩む。
次にご飯を炊こうとするが手に力が入らずお米をぶちまけてしまう。
もうこの辺はどうやっていたかうる覚えだが、後からカシラに聞くと
何一つできていなかったらしい。
いつも当たり前にしていた事が全くできない。
が、自分ではそれがわかっておらず「いつもより具合が悪いな」程度なのだ。
明らかにおかしいと家族も思ったらしく、カシラがどこかへ電話で相談し始めた。
そして「救急車を呼ぼう」とやっとここで決断する。
それでも私は「え〜、そんな?嫌だな〜」とソファーにもたれかかりながら
言っていたのを覚えている。
救急車どころか入院すら出産の時しかしたことのない私にとって本当に嫌だったのだ。
とりあえずの準備を娘達がテキパキとしてくれ玄関で救急車が来るのを待った。
前日の夕方におかしくなり、この時点ですでに16時間ほど経っていた。